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野中建築 事務所社屋 1965
野中建築事務所社屋1965
![]() 1965年竣工 施行は株式会社岩永組 HPシェル4枚を逆に組み合わせた構造部屋は2階に1室のみ。 2階の下に倉庫部屋が吊り下げられていたが、熊本地震で崩落。 | ![]() 事務所は2階。 上っていく梯子のような階段。 | ![]() HPシェルの形に、五角形の窓ができる。 軒は深いが、室内には十二分な採光がある。 カーテンレールも取り付けてあるが、 「もうカーテンは要らないかな」 との野中文さん(2代目所長・野中卓氏令嬢)談。 夜、電気の灯ったガラス張りの2階部分が光る姿は、灯台そのもの。 | ![]() 2階の事務所は、オリジナルデザインの家具で間仕切りをして区分。 間仕切り家具は熊本地震で大半が損壊したが、修理し再び使用されている。 トイレ、キッチン、書棚の一部は、正方形の壁の外側にムーブネット的に外付けされている。 |
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![]() HPシェル屋根の「谷」の部分の支柱が4本。 中に雨樋が通されていて、集まった雨水を処理している。 建物外側に雨樋がなく、すっきりしたデザインも実現。 2階屋内の柱はすべて、この飾りが竣工時から取り付けられている。 何かと尋ねたら、家紋をシェードにした照明とのこと! (特別に点灯していただけた) | ![]() 外観を別の面から。 どの面からみても死角なく綺麗。 野中建築事務所はHPシェル構造の建物を10棟近く設計していて、事務所のアイコンと言えるのだけれど、この建物が一番シンプルな構造で、熊本地震にも何とか耐えて改修も終わって、事務所を体現していると思う。 |
熊本大学学生会館 1965
熊本大学学生会館1965
![]() 1965年竣工 RCの板をシェル上に曲げたものを組み合わせて屋根を作る「HPシェル構造」。 野中建築事務所はHPシェル構造の建物を約25年にわたって複数手掛けてきているが、その最初の作品であり代表作。 平らな屋根の左側がA棟、ぎざぎざの屋根の右側がB棟。 | ![]() 正面がB棟。 左側に屋根だけ写っているのがA棟。 A棟の庇(軒)の長さに注目。 | ![]() A棟の2階からB棟の屋根を臨んだところ。 A棟がHPシェルの屋根に平らな板を被せた形状の屋根なのに対し、B棟はHPシェルの形ほぼそのままの屋根。軒は浅め。 | ![]() A棟の軒。 その深さは4m! 軒下のフォルムの美しさにも注目を。 高い構造設計と施工の技術がないと、こんなに綺麗 かつ 丈夫にできないらしい。 熊本地震でも無傷。 |
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![]() さらに、A棟の2階部分軒下。 4mあるので、よほど雨のひどい日でない限り、ここでもサークル活動が可能。 主に器楽系のサークルのパート・個人練習に使われている。 | ![]() A棟2階の「サロン」と名付けられたスペース。 軒があれだけ深くて長いのに、この明るさが保たれている。 大きな窓と、軒の傾斜が要。 | ![]() B棟の壁&屋根を、横から臨む。 |
熊本銀行子飼橋支店 1962
![]() 1962年竣工 野中建築事務所の作品の中でも、最も古いものの一つ。 この当時は「ホローブロック(穴あきブロック)」野中建築事務所のデザインアイコン。 この建物では2階部分に用いられているが、「防犯」「採光」「通風」「目隠し」など、いくつもの機能が期待できる。 | ![]() けれど、個人的に大好きで眺めていたのが、この銀行建築の裏側。 カラーリング、ミントグリーンの面格子、全体のバランスなど最高だ! | ![]() 大好きだーーー!! |
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熊本銀行子飼橋支店1962
熊本大学工学部中型電子計算機室1971
熊本大学工学部中型電子計算機室 1971
![]() 1971年竣工 入口上部 2・3階の壁全体に、野中建築事務所の作品のアイコンのひとつである「目地」が施された建物。 目地が入った作品は数あれど、わたしが見た限り、同じデザインの目地はひとつもない。 左下に時計が取り付けられていることで一層、工学部のランドマークのひとつとして、大きな存在感を放っている。 | ![]() 目地を正面から。 かっこいい! 壁に目地飾りをもつ野中建築事務所の建物は数あれど、わたしが知る限り、同じ模様になっている建物はありません。 | ![]() コンクリート打ち放しの壁の型枠の木目出しも、とても綺麗。 個人的に、右奥に写っているメーターの配管も好きなポイント。 |
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![]() 建物を裏側から。 野中建築事務所の作品には、美しい螺旋の外階段がついている建物も多い。 コンクリート打ち放しの梁部分と白壁のコントラストも秀麗。 |
熊本市水の科学館 1989
![]() 1989年竣工 野中卓さんの遺作となった作品は、久しぶりのHPシェル構造で、長年多くの施設の設計を担ってきた熊本市水道局の仕事。 32本のシェル支柱が支える姿は圧巻。 | ![]() かーっこいい!!!! | ![]() 建物周囲と中庭に遊水地が巡らされる。 HPシェルの支柱の中に雨樋が通っているのは他の建物と同じだが、この建物内に中水処理場があり、そこで処理した水をこの柱を通じて排出し、遊水地の水としている。 | ![]() 入口から中庭を臨む |
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![]() 中庭は、熊本市民の憩いの場。 HPシェルがつくる庇の下に深い日影ができるため、絶好の休憩所にもなっている。 | ![]() 内部。 中庭を臨む場所に、丸い天井がついたバルコニーのようなスペースが3つ。 個人的に大好きな仕様。 | ![]() HPシェルの「山(4枚のシェルが重なった頂点)」には、換気扇が取り付けられている。 この換気扇は、野中建築事務所社屋にもみられ、内装デザインの一環として好んで取り付けられたものと拝察。 当時、オシャレだったんだろうなぁ。 | ![]() 子どもが最大の顧客になっている施設。 デザインにタイル張りが多いのも特徴。 当時の所員さんが (所長の野中卓さんが)思い切りやれ、と言われた」 と言われた施設のディテールは、勇壮でダイナミックな外観と異なり、かわいいパーツがたくさん。 この写真は、中庭の床。 |
![]() 例えばこの、建て書きに当たる水色のタイル「水の科学館」とか。 | ![]() この水飲み場は、野中卓さんご自身がデザインしたんじゃなかったかな、という話も。 ちいさな踏み台、星形の流し、愛しかない… |
熊本市水の科学館1989
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