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熊本県立美術館外観

熊本県立美術館外観

熊本県立美術館本館は、熊本城二の丸公園に隣接する美術館。 芝生の広場を挟んだ反対側には、熊本城の天守閣がそびえる。 設計した前川國男さんは、「あたかも以前からそこに存在しているような様態を示されるべきだ」と考えて、 ①そこにある樹木は蘇生させること ②建物の高さを抑制すること ③環境に融合する素材を選ぶこと という3つの条件を課しました。

入口は中2階にあたります。 天井のワッフルスラブ(格子梁)、 床の「二色網代張り」タイル、 壁の「打ち込みタイル」 は、館内にまで繋がっていて、内と外を連続させることに成功しています。 格子梁から吊るされているペンダントライトも、前川國男さんオリジナルです。

ワッフルスラブ(格子天井)

ワッフルスラブ(格子天井)

木で型枠をつくり、コンクリートを流し込んで作られた梁。 大きな美術館の建物を支えているのは、この梁と、12mおきに配置された円柱。 その設計の確かさは、熊本地震の2度の震度6を経て何の損傷もなかった事実が物語っています。 升目の中の青色には、「成層圏ブルー」という美しい名前が前川さんによってつけられてます。

打ち込みタイル

打ち込みタイル

前川さんが独自に編み出した工法。 コンクリートの下地に直接、タイルが打ち込まれていて、落下しにくく、メンテナンスが簡単になってます。

二色網代張りの床

二色網代張りの床

床の高さが変わるところで、その方向も変えられています。単調に見えますが、壁との境目(巾木)なども合わせると、実に65種類ものタイルが使われています。

入口押板

入口押板

前川さんは、人の手が触れるところにも相当のこだわりを持たれています。 押しやすく手触りのいいフォルム、木目の模様も堪能してください。

ロビーから喫茶を臨む

ロビーから喫茶を臨む

頭上の格子梁の連続、喫茶室のペンダントライト、そして、熊本城側の一面のガラスから差し込む光の明るさに見惚れます。

エントランスホール

エントランスホール

赤い壁も、色出しにこだわる前川さんがこだわって出された色。 赤と青(熊本県立美術館では天井に使われています)の色使いも、前川建築で多用される組み合わせ。 右側にスリット状に見えている細い窓から差し込む光も、絶妙です。

吹抜けホール

吹抜けホール

吹抜けを貫く、杉板模様が美しい円柱。 杉板で1枚ものの型枠をつくって、コンクリートを流し込んで作られたもの。凄いことに、板の継ぎ目がない。 この円柱が、12mおきに配されている。

この美術館で一番印象的だと個人的に思っている箇所。 天井から下げられる多数の照明。 ロビーからみてもそこに喫茶があることを主張しているかのように存在感があります。

インテリア(天童木工)

インテリア(天童木工)

前川建築は基本、インテリアもセットであつらえられています。 このテーブルとソファのセットは、天童木工製。 椅子の布も、赤と青があります。

守衛室前にある灰皿。 これも前川さんが図面を引いて作ったオリジナル。

竹製のくずかご

竹製のくずかご

これも灰皿と同じくオリジナル。詳細な設計図がある。脚の部分は鋳鉄。

フォントとインテリア

フォントとインテリア

サインのフォントは、明朝体が多め。 竹籠はくずかご。 これも前川さんが図面を引いて作ったオリジナル。

欅の木

欅の木

前川建築にはセットのケヤキの木。もともとあったものを活かして設計された。

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